アメリカでの働き方

日本では働き方改革が叫ばれるようになって久しいですが、今回エスタの申請を依頼される方の中には、将来アメリカに移住して働きたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
アメリカでの一般的な働き方は日本とどのような違いがあるのでしょうか。アメリカでの働き方についてご紹介致します。

アメリカ人のワークスタイル

●個々を重視
そもそもの土地の広さやビル環境の違いはあるものの、チームワークが重視される日本は島型デスクのオフィスが一般的です。個室が与えられているのは大企業の、それも一部の役員くらいなもの。一方アメリカのビジネスマンたちは平社員でも個室を与えられたり、個室とまでいかなくてもパーテーションで仕切られた広いスペースで仕事をします。
この背景には、アメリカでは個人のミッションが日本より明確ということが挙げられるでしょう。社員たちは採用時から職責が細かく決められているため、何を求められているのかを明確に理解しているのだそうです。
また、オフィスファッションについてもアメリカでは個性が尊重されます。ビジネスマンたちも内勤スタッフならデニムでもOKですし、服装や髪型についての社内規定が非常にゆるいのは日本との大きな違いです。
●プライベート優先
もちろん全てのビジネスマンが毎日そうというわけではないですが、アメリカのオフィスでは残業せず定時でさっと帰る人がほとんど。残っている人への罪悪感もないし、その日の自分の仕事が終われば定時前に上がることもあります。特に金曜日は定時までに帰る人が非常に多く、そもそも金曜日は休みにしたり自宅勤務にしたりする人が多いようです。
プライベート重視のアメリカ人はバケーションも好きなタイミングで取るので、日本のように同僚と休みが重ならないよう調整することはほぼありません。部内の責任者が二人同時にバケーションで不在という場合も、携帯やパソコンなどリモートで仕事できるツールを用意して、旅先でもやり取りできる環境を会社側が整備しているからというのもあるでしょう。
また、アメリカのオフィスでは社員それぞれのプライベートを垣間見ることができます。ハリウッド映画やドラマで職場のデスクに家族写真が飾ってあるシーンをよく見かけますが、実際に結婚写真や子どもが描いた似顔絵、趣味の写真や記念品がデスクの上に。
●シンプルで早い
個人に重責が課せられるアメリカでは、その分高いポジションの人に認められる権限が大きいのも特徴です。日本では役員会議などで何度も審議するため不正やミスを防ぎやすい反面、時間がかかるのがデメリットですが、アメリカはその逆なのでどちらも一長一短と言えるでしょう。
そもそも同じポジションの人同士でも会議ではなく、電話やちょっとした立ち話で済ませることがほとんど。個室やスペースが確保されている環境なので、わざわざ会議室を予約しなくても話がしやすい環境だからかもしれません。
ただ、決定が早いアメリカでは解雇の決定も迅速。能力が低く会社に不要だと判断されると簡単にクビにされてしまいます。会社の経営状態が良くない時も人件費カットのためにすぐに解雇されるので、日本に比べて雇用は不安定です。

アメリカ人も働き者

日本と比べて個性やプライベートが重視されるアメリカでの働き方を見ると、アメリカ人が仕事をほとんどしていないように思うかもしれません。しかし、彼らは無駄を省くことに優れているだけであって、あくまで「残業しない=仕事しない」わけではありません。定時までに帰るために時間を効率的に使うことを優先しているのです。しかも、高いポジションの人は帰宅して夕食を食べた後に家で仕事をしていることも珍しくありません。
働き方の違いはどこを比べても一長一短あり、そもそも日本とアメリカでは文化背景が違います。また、職種やオフィスによっても合うシステムと合わないものがあるはずなので、「いいところ取り」ができるのが理想ですね。